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Channel: ロシアぶろぐ(仮)~目指せ1日1ロシアネタ~
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【時事】ウクライナ情勢について~プーチン大統領がロシアの立場を語る(後編)~

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Привет( ・ω・)ノ

昨日に引き続き、ウクライナ情勢についてのロシアの立場をプーチン大統領自ら語っています。

今日は質疑応答の部分を訳してみます。


この日本語訳は、個人的な興味・関心に基づいた私訳です。したがって、公式の訳とは何ら関係がなく、誤訳やニュアンスの違いがあるかもしれませんので、ご注意くださいませ


質問:ウラジーミル・ウラジーミロヴィチ、確認してもよろしいでしょうか? クリミアでウクライナ軍の一部を封鎖した人々は、ロシアの軍服に非常に似た制服を着ています。あれはロシアの兵士だったのでしょうか。あれはロシアの軍人たちですか?

ウラジーミル・プーチン:ポスト・ソビエト地域を見てください。似た制服があふれていますよ…わが国の店に行ってごらんなさい。そこであらゆる制服を買うことができるでしょう。

質問:しかし、あれはロシアの兵士だったのですか?それとも違うのですか?


ウラジーミル・プーチン:あれは地方の自警団でした。

質問:あれだけの訓練された人たちが?キエフの自警団と比べてみると…

ウラジーミル・プーチン:親愛なる同僚よ、御覧なさい、キエフで活動していた人たちは周到に準備されていたでしょう。周知の通り、彼らは隣接するリトアニア、ポーランド、当のウクライナのしかるべき基地で訓練を受けた人々です。教官が訓練し、長い時間をかけて養成してきたのです。彼らはすでに数十、数百に分かれており、良く連携して組織的に動いています。全てが時計のごとく機能しています。彼らの働きを見たでしょう?スペツナズのように、完全にプロフェッショナルです。あなたはクリミアの状況が悪化するはずだと、なぜ思うのでしょうか?

質問:では質問を確認してもよろしいでしょうか?わが国はクリミア自警団の訓練に参加していたのでしょうか?

ウラジーミル・プーチン:いいえ、していません。


質問:では、あなたはクリミアの将来をどうイメージしていますか?ロシアへの併合という選択肢を検討されましたか?


ウラジーミル・プーチン:いいえ、検討していません。全体として、私が思うに、そういった地域に居住する国民だけが、自由に意志表示ができるという条件のもと、安全であるという条件のもとで、自らの将来を決めることができるし、またそうでなければならないのです。それは、例えば、コソボの住民、コソボのアルバニア人にそうすることが許され、世界の多くの地域でそうすることが許されたのなら、私が知る限り、国連のしかるべき文書で保証されている民族自決の権利は、誰も無効にしてはいないのです。しかし、我々はいかなる場合もそうしろと煽るつもりはないし、いかなる場合もそのような気分を煽るつもりはありません…

私が強調したいのは、一定の地域に居住する国民だけが、自己の運命を決定する権利を持つのだということです。

質問:あなたはウクライナ領への軍の投入の可能性は、最終手段であると言いました。しかし、やはりその可能性は完全には排除していません。しかし、この場合、軍が投入されたら戦争が始まるかもしれません。それは心配ではありませんか?


2つ目の質問です。あなたはヤヌコーヴィチが人々を撃てという命令を出していないと言いました。しかし、誰かがデモ参加者を撃ちました。それがスナイパーであったことはわかります。訓練されたスナイパーでした。


ウラジーミル・プーチン:あなたはご存知でしょうが、今は、長くデモを行っている人々を含めて、これがある野党の扇動者であったという意見が存在します。あなたはそれを聞いたことがありますか?


応答:いいえ、私は聞いたことがありません。


ウラジーミル・プーチン:この資料を見て下さい。これらはオープン・ソースのものなので、今十分に検討するのは非常に困難です。しかし、「ベルクート(ウクライナ特殊部隊)」の兵士が盾を持って立っていたとき、彼らが空気銃ではなく戦闘用の武器で撃たれたのを、私たちははっきりと目にしました。彼らを貫くように撃たれたのをね。それを私たちは確かに見たのです。誰が命令を出したか、私はそれを知りません。私が知っているのは、ヤヌコーヴィチが私に話したことだけです。彼は私に言いました。彼はそんな命令は出していないし、むしろ、しかるべき合意に署名した後、首都からあらゆる警察部隊を撤退させるようにとすら指示したということです。


もしお望みなら、私はあなた方により多くを語ることさえできます。彼は私に電話してきましたが、彼がそういうことをしないように、私は彼に言ったのです。私はこう言いました。「あなたの国に無政府状態が訪れます。カオスが首都に訪れます。人々を守って下さい」と。しかし、彼はいずれにしてもそれをしました。彼が行動するやいなや、彼のオフィスも、政府も占拠され、ちょうど私が警告したようなカオスが始まったのです。そのカオスは今に至るまで続いています。


質問:では、最初の質問にお答え下さい。戦争が起こるかもしれませんが、そのことは心配ではありませんか?


ウラジーミル・プーチン:私は心配していません。なぜなら、我々はウクライナの人々と戦うつもりも、戦うこともないからです。


質問:しかし、ウクライナの軍隊は存在しているし、軍はウクライナの所属ですが。


ウラジーミル・プーチン:よく聞いて下さい。あなた方に私の言うことを一義的に理解して欲しいのです。もし我々がそのような決定を下すとすれば、それはウクライナ国民を守るためだけです。我々がバックに立とうとしている、前面ではなくバックに立とうとしている人々を、軍人の誰かに撃たせるというのか。彼らに女性や子どもを撃たせるというのか!ウクライナでそんな命令を出すような者は誰なのかを考えてみましょう。

質問:ウラジーミル・ウラジーミロヴィチ、西側の反応に戻りましょう。米国務長官の厳しい表明への返答として、アメリカからわが国の大使を呼び戻すよう、上院はあなたに提案しました。それを行うつもりはありますか?

ウラジーミル・プーチン:もちろん、国務長官は重要人物です。しかし、これはアメリカの外交政策を決定する最終判断というわけではありません。私たちは様々な政治家や、政治勢力の代表者たちの表明を目にしています。これは最終手段です。もし、求められるのであれば、その手段が取られるでしょう。しかし、私はそれをあまりしたくないのです。なぜなら、経済、政治、国際安全保障の分野での国際レベルでの協力において、ロシア側だけが自らのパートナーに関心を持っているわけではなく、わが国のパートナーもまた我々との協力に関心を持っているからです。これらの協力手段を破壊するのはとても簡単です。しかし、一から作り上げるのはとても難しいでしょう。

質問:ロシアはヤヌコーヴィチの運命に参加しました。彼の今後の役割は、あなたにはどう見えますか。彼の今後の運命はどうなるのでしょうか?

ウラジーミル・プーチン:それについて発言するのは、私にとってはとても難しいことはおわかりでしょう。私は非常に気をつけて、分析しないようにしています。私が思うに、彼の政治家としての将来はありません。私は彼にそのことを言いました。「運命に参加した」とは一体どういうことなのでしょう。我々はやはり専ら人道的な理由から、それをしたのです。私が思うに、死が合法的な大統領を排除するための最も単純な方法であることを考慮すれば、そういうことが起こるかもしれない。私が思うに、彼はきっと殺されていたかもしれない。ところで、「何のために?」という疑問がわきます。

注目してみてください。この騒ぎが何から始まったのか。何が引き金となったのか。形式的には彼がEUとの協力についての合意に署名しなかったことでしょう。今、それは何だかナンセンスなものに思われ、口にだすのも可笑しいぐらいです。私はあなた方に何を見て欲しいのか?だって、彼はEUとの合意に署名するのを拒否したわけではないのですよ。彼は言いました。「我々はしかるべくそれを分析したが、我々の国益に一致しない内容だった。我々は住民に対し、エネルギー価格の大幅な上昇をすることはできない。なぜなら、わが国の国民は、かなり辛い状況にあるからだ。我々はあれやこれやすることはできないし、わが国とロシアとの経済関係を断ち切ることもできない。なぜなら、非常に大きな協力関係があるからだ…」と言ったのです。彼は署名を拒否したのではありません。彼はこの文書についてさらに議論する機会を願い出たのです。そしてすぐにこの大騒動が始まったのです。

本当に彼は自分の権限を越えて行動したのでしょうか?彼は完全に自分の権限の範囲で行動したのであり、何も犯していないのです。これは野党勢力が政権争いの口実にしたのです。全体として、何ら特別なことはありません。しかし、国を現在置かれているようなカオスに陥れるために、無政府状態に、憲法に反する政変に、力による政権奪取に至らせて本当によかったのでしょうか。私が思うに、それは許されないことです。わが国の西側のパートナーたちがそれをウクライナで行うのは初めてではありません。アメリカのどこかで大きな水たまりの向こうで、何かの研究所のスタッフが、結果がどうなるかわからないのにマウスに何かの実験をやっているような印象を私は時々持つのです…


質問:「ガスプロム」が4月からガスの価格を戻すとすでに発言しましたが。


ウラジーミル・プーチン:「ガスプロム」がそんなことを言うはずはありません。あなたが聞き違えたのか、ガスプロムが正確な表現をしなかったのでしょう。「ガスプロム」は価格を戻したりはしていません。合意していた現在の割引価格の延長を望んでいないのです。割引を導入するか、導入しないかは四半期ごとに決まります。この一連の出来事以前、この出来事の差し迫った局面以前はね。私は「ガスプロム」とそのパートナーたちとの交渉について知っています。「ガスプロム」は1000立米あたり268.5ドル以内の割引をすることで、ロシア連邦政府とも合意しています。ロシア政府は第1クレジット・トランシュ(形式上クレジットではなく、債権の購入―擬似クレジット)をしています。最初の段階では30億ドルです。一方、ウクライナ側は昨年下半期から生じた借金を完全に返済し、消費されている原料―消費されているガスの現在の支払いを順調に行う義務があります。借金は返済されていません。現在の支払いは完全に支払われていません。


さらに、もしウクライナ側が2月分の支払いをしないなら、借金は膨らみさえするでしょう。今、ウクライナ側は15~16億(ドル)のあたりです。もし2月分を完全に支払わなければ、20億ドル近くになります。当然、「ガスプロム」はそういう状況の中で言っているのです。「皆さん、聞いて下さい。もしあなた方がいずれにしても支払いを行わないのなら、私たちは増える借金だけをフィックスしていますが、値下げ価格よりも通常価格でフィックスする方が良いのです」と言っているのですよ。これは「ガスプロム」の純粋な営業活動です。「ガスプロム」はあらゆる大企業と同様に、投資プランに収益と支出の項目を持っていて、計画が立てられているのです。もし、彼らが期限内にウクライナ側から収益を上げられないなら、彼らは自らの投資プログラムを見直すのです。彼らにとってはそれが現実問題なのです。ちなみに、これはウクライナ情勢とは無関係ですし、政治とも無関係です。こういう合意がありました。私たちはあなた方に金銭とガス価格の引き下げをしましょう。あなた方は支払いを行うのです。遅滞なく。金銭は与えられ、ガス価格は引き下げられましたが、支払いはありません。当然、「ガスプロム」は「みなさん、そうは行かないですよ」と言うでしょう…


質問:ウクライナで行われる予定の大統領選挙をロシアは認めていますか?


ウラジーミル・プーチン:選挙がどのように行われるのかを見て、もし私たちが今キエフで目にしているようなテロ行為の中で行われるのであれば、我々はそれを認めません。


質問:ウラジーミル・ウラジーミロヴィチ、もしクリミアで住民投票が行われ、住民が分離を決めたら、住民自らが、多数票によって決めたのなら、あなたはそれを支持しますか?


ウラジーミル・プーチン:政治では仮定は用いられません。私はそのルールに従おうと思います。


質問:ヤヌコーヴィチは生きているのですか?彼が死んだという情報が出回っていますが。

ウラジーミル・プーチン:彼がロシア連邦国内にいると判明した後、私は1度彼と会いました。それは文字通り2日前です。彼は生きており、元気で、あなた方にも同じことを願っていました。彼は死亡説を広めている人たちの葬式で風邪を引くでしょうね。




ロシア政府が発行する「ロシアNOW」にも、同じインタビューの日本語訳(抄訳)が載っていました。

リンク:ロシアNOW

ウクライナ
の暫定政権を支持しているアメリカなんかは、ロシアの干渉を強く非難していて、経済制裁をするとまで言っていますが、相変わらずすげえダブルスタンダードだな、と思います。シリアの件といい、スノーデン君の件といい・・・ちょっと酷すぎやしないだろうか。


とりあえず、ロシアを大バッシングしているアメリカに聞いてみたいのは、「あのような暴力的手段でヤヌコーヴィチを引きずり下ろしたウクライナ暫定政権に正当性はあるのか」ってことです。

ロシアの主張をまるっと信じる訳ではないけれど、アメリカEUの国々のやり口は好きではありません。

プーチン大統領のこの発言、ロシアの立場をよく表していると思うんだけど、日本ではあまり詳しく報道されてないみたい。なぜなんでしょうね。

あと、私みたいな素人目から見ても、「本当に自分で調べたの?」っていうレベルの発言をしているコメンテーターもいます。知ったかぶりではなく、責任ある発言をして欲しいものです。

私はかつてウクライナを貧乏旅行したことがありますが、とても美しいところでした。

宿泊するつもりだったキエフのホテルが取り壊されていて途方に暮れていたとき、親切なウクライナの人たちに助けてもらいました。

ウクライナ西部の街リヴィウの博物館では、ロシア語しかできない私に、ウクライナ語ではなくロシア語であれこれ説明してくれた学芸員のおばあさんに、本当に良くしてもらいました。

だからこそ、今の状況が悲しくてなりません。これ以上、血が流れないことを願います。

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