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Channel: ロシアぶろぐ(仮)~目指せ1日1ロシアネタ~
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ジュリエットは13歳~リプニツカヤこれまでの軌跡(後編)~

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Привет( ・ω・)ノ

9月も後半。だんだん涼しくなってきましたねー。

夜、寝るときに虫の声が聞こえる季節となりました。

今日はお休みだったので、近所をぶらぶら散歩してきました。

引っ越しをして半年。

思えばこんな風にゆっくり歩くことなんてなかったなー。

いつも自転車か車だし。

たまには歩いてみるのもいいもんですね。

個人経営っぽいパン屋さんにも入ってみました。

ボリューミーですごく美味しかった( ´∀`)

やっぱり、人間には休息というものが必要なのですね。


さて、今日は前回の続きです。

リプニツカヤの軌跡を探る記事の後編を訳していきます。

(→前編のつづき)


2011/12 — ジュリエット



次のシーズンまでに、リプニツカヤは自分を指導しているエテリ・トゥトベリゼコーチとともに、1968年の映画『ロミオとジュリエット』の曲で新しくより複雑なFSを準備した。この曲は有名なイタリア人で、多くのオスカー賞、グラミー賞、ゴールデングローブ賞を受賞しているニーノ・ロータの筆によるものである。

13歳のリプニツカヤは、ヴェローナ出身で敵対する一族の若者ロミオに恋する同い年のジュリエット・キャピュレットを演じた。二つの家族の争いは、恋人たちをそばに置いておくことを許さない。結末は悲劇的、もしかしたらこの世で一番悲劇的かもしれない・・・

・・・だがリプニツカヤのストーリーは違う。彼女の演じたジュリエットはシニアのロシア選手権で銀メダル、ジュニアで金メダルを獲得しただけでなく、GPシリーズの2つの大会とファイナル、そして世界選手権を含む世界のジュニアのあらゆる大会で優勝したのである。

もうシニアの国際レベルに出る時だということが明らかになった。そしてソチ五輪はかなわない夢から、次第に実現可能な夢へと変わっていったのだ。


2012/13 — ドラジェ(金平糖)の精


オリンピックを控えた次のシーズンでは、ユーリャは初めてシニアのGPシリーズに参加したが、おそらく彼女にとって最大の失敗に終わった。このシーズン、リプニツカヤとコーチはFSにピョートル・チャイコフスキーの不朽の名作『くるみ割り人形』から、ドラジェ(金平糖)の精という事実上失敗の懸念のない役柄を選んだ。

そして最初はいかにも鮮烈にフィンランド大会での優勝を決めた。その後はシニアのGPシリーズで第2位、第3位となり、14歳の彼女はファイナルへの出場を可能にした。ここで彼女はトレーニング中に軽い脳震盪と下顎を切るという怪我をする。このことにより、このシーズンはもう公に自分をアピールすることはできなくなった。リプニツカヤはGPファイナルも、シニアの国内選手権も欠場を余儀なくされた。ロシア・ジュニア選手権でドラジェの精は5位にとどまったが、世界ジュニア選手権では銀メダルを獲得し、雪辱を晴らした。
次はオリンピックシーズンだった…


2013/14 — 『シンドラーのリスト』から赤い服の少女


2013/2014シーズン、フィギュアスケート界がソチ五輪にクライマックスを迎えるシーズンの初め、ユーリャ・リプニツカヤはロシア代表枠の有力選手にはおそらく入っていなかっただろう。若きアスリートである彼女ジョン・ウィリアムズの曲でその身をやつした、スティーブン・スピルバーグの映画『シンドラーのリスト』に登場する赤い服の少女の役柄は、おそらく彼女を助けなかった。むしろ、歳に合わない彼女の成熟した技術と底なしの才能がそうさせたのだ。

素晴らしいプログラム、鮮やかな技術、あり得ないほどの魅力が一体になったおかげで、15歳の少女は参加したGPシリーズの2大会両方で優勝し、GPファイナルで2位を獲得、初参戦の欧州選手権で1位となった。ロシア選手権では世界選手権と同様2位だった。毎度彼女はほんのちょっと足らなかったのだ。ユーリャがSPでもFSでもトップに立ったソチ五輪団体戦まではそうだった。そのFSでは2位のアメリカの選手との差は12点近くになった。赤い服の少女の背景に、他の全ての選手たちは『シンドラーのリスト』の白黒の登場人物のように、目立たず、小さく、取るに足らないように見えた。ロシアのリンクの上にこれほどの花束やぬいぐるみが飛び交ったことはこれまで無かった。カナダ人たちはユーリャに歌を捧げ、日本人たちは彼女をマンガのヒロインにした…リプニツカヤは世界的な名声を得た。彼女はオリンピックチャンピオンになったのだ。個人戦で、少女の世界的な名声は突然覆された。団体戦での2つの演技で披露した彼女を待っていたのは、2つのミスと5位だった。彼女はまさに2014五輪のロシアの凱旋の主人公の1人となり、わが国の勝利の象徴の1つとなったのだ。



2014/15 — ジュリエット再び

その次のシーズン、今やオリンピックチャンピオンとして要求される立場の16歳の少女は、FSの役柄を選ぶにあたりファンの助けを必要とした。FSのためのアイディアも、音楽もなかった。「親愛なるグループ参加者、ゲストの皆さん!2014/2015シーズンのユーリャの新FS製作に参加ご招待します!あなたにはこのテーマで、新シーズンのユーリャのFSをどうしたらよいか、自分のアイディア、希望、案を公開するユニークな機会があります。ユーリャがあなたのアイディアを見て、もしかしたら今シーズンのFSの演出のときにその提案を使うかもしれません」―こんな風に「フコンタクテ」のユリア・リプニツカヤの公式グループのページに掲載されたお知らせに書かれていた。

メッセージは多くのマスコミにキャッチされ、ロシア全土に広められた。結果、まもなくグループには2つ目のメッセージがアップされた。

「私たちはこれほどの反響を予想していませんでした。提案の公開に際し、ユーリャの新プログラムの選曲に関して、グループ参加者やゲストのアイディアを聞きたかっただけであり、フィギュアスケートに興味を持つロシアの全てのネットユーザーの関心をプログラムの演出に惹きつけたかったのではありません。なぜなら、役柄の演出と作成を行うのはユーリャとそのコーチだからです。多くのケースで私たちの考えはいくらか不正確に理解されていて、私たちが大量の提案メッセージをすでに受け取っていることからも、私たちは何とかして送付されたアイディアを処理し、それらを確認するためにこの提案を締め切らざるを得なくなりました」


この時、この問題に費やされた議論はすでに254メッセージが公開されており、そのそれぞれが彼女の新FSのために1つ、さらには複数の曲や役柄の提案を含むものだった。


結局、エテリ・トゥトベリゼ、イリヤ・アヴェルブフ、もちろんユリア・リプニツカヤ自身がすでにやったことがある案―シニアレベルではまだ誰も見たことがない、ニーノ・ロータの曲によるジュリエットにすることに決めた。


このストーリーがウイリアム・シェイクスピアの作品とは異なり、ユーリャにとってこの世で最も嬉しいものとなるように願っている。

出典:АиФ


というわけで、次のシーズンのリプのFSは、彼女にとって2度目のジュリエットに決まったようです。

そういや、記事を読んで思い出したんだけど、原作ではジュリエットって13歳なんですよね。日本で言うと、中学1年生かー。

ロミオはそのちょっと上かな。

しかも長きにわたって愛を育んできたかと思いきや、ロミオは当初別の女性に恋していて、振られた腹いせに行ったパーティでジュリエットに会った訳ですし、そもそも2人が出会って死ぬまで5日間ですし(;´Д`)

幼い2人が家の都合で引き裂かれ、ついには悲劇的な結末を迎える・・・

かつて演じたジュリエットと、今回のジュリエット。

彼女がどのように演じるのか期待です。


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